「脳は疲れない」@池谷裕二
今日の授業の中で『海馬』を話題にしました。池谷裕二さんと糸井重里さんの対談本で、私的にはもう古いかな、という話題なのではありますが、学生さんはご存じなかったようなので。
授業の中では、海馬と扁桃体についてが中心の話題だったのですが、ついでに、ちょっと脱線して「脳は疲れない」というこの本の副題の部分についても話をしました。
手塚治虫の仕事ぶりが紹介されていました。とにかくひたすら、漫画を描き続けているという。ほとんど寝ないで。
また、あるクリエイターの話。朝9時に仕事場に来て、そのまま黙って仕事をして、朝の4時に帰宅するという毎日。「二食ぶんのお弁当を持ってきていて、食事には15分しかかけないそうです。昼に半分食べて、お腹が空いたらもう半分食べる。あとはひたすら仕事をしているんだって。しかもその人は仕事をやりはじめてから24年間、風邪はもちろん、あらゆる病気にかかったことがない……。熱も一度もだしていないって聞いて「何だ、そりゃぁ!」と思った。お正月は1月2日からふつうに仕事場に来ていて、社員が風邪をひくと怒るんだそうです」(246頁)。
すごいでしょ。私の仕事を心配してくださる方もたくさんいらっしゃるのですが、そういうわけで、全然心配には及ばないわけなのです。
そして、こう続きます。
「その人のつくるものは、確かに、ほんとうにものすごいんです。ただ、そのものすごさが、彼の周囲の死屍累々というか、過酷な仕事場の中から生まれてきているのだとは、ふつうわからないですよ。
手際のよさや整理のうまさなんかじゃなくて、9時から4時まで仕事をせざるをえないぐらいの「強烈な動機の塊」みたいなものが、トップクリエイターの根っこにあるチカラなのかなぁ、と思うんです。やりすぎてしまった人が、天才なのだというか。
仕事をやりすぎちゃった人のオーラというか、ものすごい動機の塊から湧き出てしまう「名づけようもないすごさ」については、何か今、ちょっと話題にしておきたくなって。」(246頁)
ちなみに、このクリエイターは、宮崎駿さんだそうです。
天才というのはやりすぎちゃった人。なんか、わかりますね。能力とか要領の良さだけではないのかもしれません。もちろん、それがあったらそれにこしたことはありませんが。そういう意味なら、私も天才になれるかもしれない(笑)。そして、あなたも。
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